ジュニアの練習は、集中力との戦いでもある。とにかく落ち着かない。落ち着くという方が無理という話もあるが、実際集中力をどう捉えるべきなのだろうか。

集中力が無い→集中力を鍛える

上記は果たしてあっているだろうか。
以前聞いた話で興味深いものがあるので紹介する。

進学校でスポーツ強豪校がある。勉強に時間を取られて、練習時間が進学校では無い強豪校と比べると少ない。だが、実際大会でいい勝負になり、勝ったり負けたりを繰り返している。何故かといえばそれは集中力である。4時間の練習を2時間しか中身が無い練習をしていくのと、2時間の練習時間をまるまる2時間練習に使えるとすれば、それは同等である。2時間の練習を2時間分身がある練習時間にするには、選手の集中力が必要不可欠であるが、それを可能にするのは、普段の生活態度である。進学校ゆえに、授業中もしっかり勉強しなくてはならない。つまりこれが集中力の鍛錬となり、部活動の練習に生かされて、無駄の無い集中した練習を可能とする。

つまりは、集中力の訓練は、例えば読書、勉強、授業で使うものと同じということだ。それを、少ないクラブ活動の練習時間で鍛えようにも効率が悪い。強くなりたいが集中力が無い子はたくさんいると思うが、それは、しっかりと親も交えて話す必要があると思う。それがうまい方向へいけば、練習もより効果の高いものになるだろう。


上記は、子供の集中力への意識改革的なものであるが、では指導者は何もしないでいいかといえばそうでもない。指導者は集中力がついてくるのを待ちつつ、なお集中して練習に取り組める方法を考えなければならない。簡単にいえば、

「面白い練習」「練習に興味を持たせる」「練習に変化をつける」

この辺に注意していけばいいだろう。
具体的な例は後日にするとして、簡単な方法は、

1.タイムを計って競わせる
2.罰ゲームと称したトレーニング
3.目標をもたせた練習をさせる
4.休憩無し

以上がたぬ吉の注意している点である。それぞれコメントしていこう。
1と3は、趣旨は同じである。練習に、例えばスマッシュが速くなったとか、筋肉がついたとか、そういうものは子供達にはわからない。それが、例えばダッシュでタイムを計り記録させると、この前よりも速くなった、遅いからもっとがんばらなきゃ、と効果が目に見えてわかるようになる。3については、サービス練習でたんたんとさせるぐらいなら、例えばカゴを置いて時間内に5個入れろ、とか、ノックでも目標にシャトルの筒をたててそこを狙わせるとか、そういった工夫だけで全然違ってくる。
2についても、子供の負けん気を誘う事になる。普段だらけるトレーニングも、罰ゲームとなれば結構きっちりとやるものだ。

4については対処が難しい。一度コートを離れて休憩を取らせると、そこでせっかく集中していたものが切れてしまう。できるなら休憩は無しで練習した方がいい。では今大事な給水はどうするか、といえば、合間を自分で判断させるのだ。コートサイドに水筒を並べておいてもいいだろう。実は実際の練習になれば、コートに入らない時間は結構ある。休憩は全体でとらないだけで、実は選手はいくらでも休めている。もちろん人数によって、練習内容によっては加減しなければならないが、ほとんどの場合は必要無いのではないだろうか。休んでいる間、友達の練習を見ることによる危機感も生れ、それがさらなる集中力を生むはずだ。

上記4点を考えながら練習メニューを組む事によって、集中できる環境が生れてくれるならとても嬉しく思う。が、ここで何を書こうと、実際に子供達を見ているのは指導者であり父母である。一番身近にいる人が、最良の環境で練習させてあげようと思う気持ちは、どんな理詰めの練習よりも集中力を生むのではないだろうか。子供の心構えの前に、一度、考えてもらいたい。