数年前だったかなぁ。。。


あまり上手ではない方と組む機会がとても多く、そういう選手との試合は心が痛む時がある。


 私も恥ずかしながら名前がある程度売れているので下のクラスでは出ることはできず(私もクラスを下げてまで勝ちたいとは思はない)、小さな大会ではあるが最上位クラスでエントリーをした。
 そういう試合は大概パートナーが集中砲火を受ける。パートナーも、自分に来ることがわかっているので意外といつも以上に対応できたりもするが、そうならないこともしばしばだ。その時もそうだった。

 試合に出るときに、勝とうとするならばそれに近づけるように策を練るのも一つの作戦だが、どうしても気が弱い私はその選択をできない。自分ができる範囲でのカバーと、配球を気にする事しかできなかった。そのパートナーが若ければこうして、ああしてと話ができたかもしれないが、私の父親ほど離れた年齢の尊敬すべき選手にはそういった指示は出せなかった。

 例えば勝とうとするなら、レシーブをネット前にして、とか、できるだけ前に入って、と話すこともできるかもしれないが、そこまでして勝つ事が正しいのか、いや、むしろ勝ちにこだわれない試合なんて意味が無いのか、こういう試合ではその最中も試合後も葛藤が続いてしまう。

 よくダブルスでは1+1=2じゃないという話が出る事がある。これが1+1=5にできたとしても、その5の中身は0.5+4.5だった、というダブルスは果たしてどうなのだろう。いいとするべきかよくないとするべきか。

 私は自他共に認める、自分を削ってパートナーに働いてもらうプレイヤーである。それは、自分が望んでいるからであって他人に強制されているわけではない。だが、自分で望んでいないプレイヤーにそれを強制されるのはどうなのだろう。


 結論は自分の中では出ず、今でも最良はなんだったか、よく悩み苦しんでいる。