バドミントンを始めてもう何年が経っただろうか。もうおそらく何万、下手すれば何十万と羽を打ってきた。

その中でもはっきりと思い出されるベストショットが何パターンかあった。そういうショットは今でも鮮明に頭に描けるが、それができるかといえばそうともいえない。

・3次元的にイメージして打てたドライブショット
ある大会での出来事である。ベスト4ぐらいだっただろうか。集中してラリーしていた記憶はあるが、あの瞬間はまるで時間が止まったかのような感覚だった。その瞬間コートを真上から見下ろし、相手二人の間を通すクロスドライブ。その時ははっきりと相手二人とパートナーが手に取るように把握できた。

・ロングサーブからのスマッシュ
ただの練習の時の感覚である。ロングサービスに対してクロススマッシュを打ったのだが、まったくの脱力で放ったスマッシュはありえない角度で相手の左脇へ突き刺さった。脱力でありながら芯にひびく打感はいまだに再現できていない。

・ヘアピンでのフェイント
だいたいヘアピンでフェイントをかける場合は、ある程度打つ前から「こんな感じで」とイメージして入っているが、その時は相手の目線、荷重が把握できていた。なおかつ、ここで私がこう動けば、相手もこう動くからシャトルをこっちへ運んで、と思ったとおりに相手が動いてくれる。もちろんノータッチ。後出しフェイントは最強だが、こううまく行き過ぎることは1年に一度も無い。

・確実な返球
ある大会のシングルスでの事である。格上の選手に対して半ば試合前からあきらめていたが、その試合前に「こうきたらここへ返して、この場合はここ・・・」と何故か今までに無いような冷静な思考で試合に入る事ができた。いざ試合になれば、そのイメージ通りに来た羽を確実に打ち返すだけ。スマッシュ等攻めるのではなく、ただただ予定通りに試合をこなしていった結果、点数が重なり勝ってしまった。試合全体であそこまでのプレーはその1試合だけである。案の定、別な試合で対戦したときはラリーポイントで5点ほどしか取れなかった。



こう思い返してみると、集中力がポイントになっているようだ。練習での脱力という特異な例もあるが、ほとんどは大事な試合で集中力が最高に達し、且つ冷静さを保てた時にこのようなショットが生まれているように思う。練習でも試合でも、私はとにかく集中力は必須であると思う。