「腕を耳に付けるように打ってみよう」という話は、8割ぐらいの人が聞いたことがある言葉ではないかと思う。

では何故このような、いわゆる間違った解釈をした指導法が横行してしまったのだろうか。それは、初心者特有の打ち方にある。

ラケットをウエスタングリップで持ち肘を脇に付けながら、上から落下してくる羽を迎えに行くように打つ。初心者のほとんどが最初はこのような打ち方になる。そしてこの打ち方は、ジュニアよりも、社会人からスタートした選手に多いように感じる。

これを直すのには、まず落ちた肘を上に上げなければならない。そして丁度真上にあるのが耳である。高い打点で、というイメージも追い討ちをかけるように、ここで「耳を擦る様にスイングする」という誤った指導法が生まれてしまった。


この指導法自体はおかしいことだが、これも一つの大事な言葉だったりする。というのも、選手にこの言葉を投げかける。そしてオーバーヘッドストロークの練習を行ってみる。果たしてどうなるか。

1.言われたとおり肘を耳にこすろうとする
2.なんとなく肘が上がり、肩も上げてゼロポジションでスイングできている
3.まったく変化無くスイングしている
4.数回やってみるも、元に戻る

いろんな選手がいる。これである程度選手の本質を見てみるのも面白いかもしれない。ただ、これをやった後は必ず正しい解説が必要なのでご注意を。