もう引退してしまったが、星野信之という名投手がいた。

武器はスローカーブと130キロ台のストレート。決して速くは無いストレートで星野選手は三振を奪っていく。

よく「遅い球を使ってストレートを速く見せている」というが、果たしてこの表現は合っているのだろうか。私はそうは思わない。

星野選手の球は間違いなく130キロそこそこのスピードだった。それを生かす為に速度差のあるスローカーブを使っていた。だが、だからといってストレートのスピードが上がるわけではない。このスピードで何故通用したかといえば、それはフォームの完成度にあるのではないだろうか。

ほぼ同じフォームから、さらに出所が見えにくフォームで球を投げ分ける。その技術こそが、遅いストレートを速く見せるのではなく、130キロの打ちにくいストレートを生み出す方法なんだと思う。

スマッシュにスピードを求めるとすれば、それは純粋なスピードである。ドミニカ出身チャップマンという投手は確か169キロを記録。素晴らしいスピードを持っていたが、際立った成績とは言えない。日本にも球の速い投手はいるが、それだけでは勝てていない。

つまりは、速いだけでは駄目。さらに、速く見せるのではなく、打ちにくいスマッシュを目指すことがゲームで通用するスマッシュになるのではないだろうか。野球と同じに考えることはできないかもしれないが、通じるものは間違いなくあるはずだ。フォームを同じように調整する、面を最後まで見せない、他にも打ちにくくする何かはあるだろう。それを見つけるのも、またバドミントンの楽しみ方なのかもしれない。