タイトルで9割5分は想像できたが、まさにその通りの内容だった。ただ、これが現状であって真実であることは全てのジュニア指導者と父母は理解していなければならない。

・精神論の否定
・勝利至上主義の否定
・父母の態度への提言
・指導者のあるべき姿
・選手第一主義

ざっとこんなところであるが、実際の出来事を交えて掲載されているので「耳が痛い」と思う方もいるかもしれない。

私はこの本を読んでおくことを薦める。読んだ上で今後どうするかを考えなければいけない。
というのも、私はこの本通りでは決して選手は育たないと思うからだ。

「100mダッシュ100本のおかげで甲子園で好成績を残せた」という出来事の否定が記されている。

・100mダッシュ100本は不可能
・野球にそんなトレーニングは意味が無い

予想通りの内容が書かれていた。だが、100mダッシュ100本には本当に意味が無いのだろうか。私はそうは思わない。
100mダッシュ100本は不可能である。手を抜くだろう。その手を抜くなかで、いかに自分の自力を発揮できるか。身体が動かなくなるところまでいかにしてもっていけるか。非科学的ではあるが、気持ちや自信には繋がるのではないだろうか。

そう考えた上で、私は100mダッシュ100本は意味が無いとは思う。それでも今の選手に足りない気持ちを植えつける方法は、この本に描かれているような科学的な、効率のいい練習方法だけでは身につかないものもあると考えている。

そのような問題提起を全部含めて、この本は読んでおいて損は無いのではないだろうか。これを読んで、その後は各自、各クラブしっかりと考えて欲しい。

練習は選手の為にあるのだから。